SOYA CANTINE BIO

~野菜不足を解消!ベジタリアンカフェ~

どうしてもお肉メインの食生活になりがちなフランス人。他人事ながら、彼らの野菜不足が心配になってしまうほど!そんなフランス人たちの強い味方、オーガニックのベジタリアンカフェがあるという情報を入手し、早速訪れてみることにしました。その名も「SOYA CANTINE BIO」、訳すと「オーガニック食堂SOYA」。

パリ11区、庶民的ながらおしゃれスポットも多く人気の地区とはいえ、このカフェがある場所は、それこそ静かな目立たない通り。気をつけて歩かなければ見過ごしてしまいそうなさりげない店構え。ところがその店内は、体に優しい料理を求める多くのファンでいつもにぎわい、連日の大繁盛です。


素材にこだわるSOYA は、2007年に現在の場所のちょうど隣にオープン。オーガニックのベジタリアンカフェとして22席でスタートを切り、ランチに訪れる近辺の会社員の口コミなどで順調にファンを増やし続けてきました。2年後には隣の物件を買い取り、以前の2倍のキャパシティ、45席でリニューアルオープン!パンまでオーガニックという食事に、期待が膨らみます。


取材チームが注文したのは、お得な二品(前菜+メイン)のランチメニュー、16ユーロ。外食がべらぼうに高いパリで、このお値段でこの質は非常に良心的。前菜は4種類からチョイスできます。まず一品目は、こちら。日本ではあまり馴染みがありませんが、紫が印象的なベトラヴ(ビーツ)のムース、そしてセロリとパネ(白にんじん)のムース、かぶのスライスの盛り合わせです。特に、ベトラヴのムースはパンとの相性抜群!セロリとパネのムースは、ココナツミルク入りでまろやかな風味に仕上がっています。


もう一品の前菜は、日替わりスープ。この日は、かぶ、にんじん、セロリ、玉ねぎがたっぷり。たくさんの野菜がぎゅっとつまった手作りスープはふんわりと優しい味、冷えた体を芯から温めてくれます。さらりとした口あたりなので、重すぎないところもランチにぴったり。


さて、続くメインは5種類からチョイスが可能。すべて魅力的で、悩んだ末にチョイスしたのはまずこちら、カレー。ベジタリアンカフェだけあり、お肉のメニューがない分、上にのった豆腐のフライでたんぱく質の補給ができるように考えてあるのがうれしいところ。衣に味がついていて、豆腐が苦手な人でも食べやすくなっています。


もう一品のメインは、クスクス。スムールと野菜のスープが別々の器で出てくるので、お好みの量をスムールにかけて召し上がれ。添えてあるレーズンも一緒に混ぜていただくのがおすすめ。こちらにもやはり、豆腐のフライがのっています。相当なボリュームですが、野菜たっぷりなのでお腹にどっしりきません。すべて優しい味つけで、素材の味が生かされています。


オーナーのクリステルさんは、20歳のころに自然とベジタリアンに。「お肉は一切口にせず、野菜だらけの生活。かろうじて魚だけ、本当にたまに、少し食べる程度。そんな私みたいな人でも、安心して行けるカフェレストランがあればいいな、と思ったの。10年以上この思いを持ち続けて、やっとオープンしたのが2007年のことだったのよ」。8年間ニュージーランドで生活し、母国へ戻ることを決心したときにはすでにこの構想は頭の中にあったそうですが、パリの物件はとにかく高く、先立つものがなかったというクリステルさん。帰国後は得意の英語を生かして、数年間ホテルのレセプションで働き、資金準備に力を注ぎます。2005年に物件を購入、工事に2年もの年月を費やし、やっとのことでオープンにこぎつけました。


「素材にこだわる」というコンセプトのもと、オープン以来一貫して、オーガニックの生鮮野菜のみ使用。新鮮で質のよい素材を使ったおいしいベジタリアン料理は、現代のパリジャンのニーズにぴったりマッチしました。ランチタイムの90パーセント以上のお客さまがリピーターであるという数字がそれを表しているといえるでしょう。しかも、ベジタリアンは少数で、あくまでもふだんはお肉もたくさん食べるという人たちがほとんどなのだそう。そんな人たちをも惹きつけるSOYAの魅力とは?取材当日も常連客でにぎわうSOYAで、直接お客さまにお話を伺うことに成功しました。


ミシェルさん
「ぼくはこの近所に勤めていて、ほぼ毎日、ランチタイムに通っているんだ。まるで自分の家のような場所かな。スタッフたちともすっかり顔なじみで、毎日会ってことばを交わすのが楽しみ。仕事が忙しくて家ではなかなかちゃんと料理する時間がとれず、お肉を焼くだけになりがちだから、お昼にしっかり、ここで野菜摂取してるよ」
ミシェルさんのお気に入りメニューは野菜たっぷりの日替わりスープで、必ず2杯は飲むそう!


ジュリーさん&ダミアンさん
「2007年のオープン以来、週に1度ほど通っているかな。今は忙しくて、もう少し頻度は少なめだけど。ここのスタッフは感じがいいし、料理のセンスもよくておいしいし、なんといっても、ふだん野菜不足になりがちな私たちには、たっぷり一週間分の野菜がとれる感じで最高!」
小さなころからほうれん草嫌いのジュリーさんですが、今日は、メニューに載っていたほうれん草のタルトがあまりにも美味しそうで、思いきってチョイスしてみたそう。結果、みごと完食!「ほうれん草をおいしく食べられたのは生まれて初めて」とジュリーさん。ふたりのいつものお楽しみは、食後のオーガニックフルーツのフレッシュジュースだそう。


ふだんの野菜不足をいっきに解消できてしまうような、野菜づくしのメニューが勢ぞろい。食生活が偏りがちな現代人にとってはありがたい存在のSOYAは、これからも体に優しい料理でファンを増やし続けることでしょう。


約半年前からは、日本人のあかねさんもSOYAの厨房スタッフに仲間入り。オーナーのクリステルさん(写真・左から2番目)いわく、「2012年の新しいプロジェクトは、オーガニックベジタリアンのファーストフードカフェをオープンすること」だそう。着々と準備はすすんでいるそうです。オープンの日が待ち遠しいですね。


★SOYA CANTINE BIO(ソヤ・カンティヌ・ビオ)
20, rue de la Pierre Levée
75011 Paris
Tél : 01 48 06 33 02
営業時間 : 12 :00~15 :30、19 :00~23 :00、
11 :30~ 16:00(土日のブランチ)
定休日 : 日曜の夜
最寄メトロ : 3番線Parmentierもしくは11番線Goncourt
Web : http://www.soya75.fr/


文 : 内田ちはる
写真: 新村真理