Au gourmet(オ・グルメ)

~地元パリジャンの定食屋さん的な存在~

パリを語るには外せないスポットのひとつである、モンマルトル界隈。晴れの日に丘を見上げると、白亜のサクレクール聖堂が青空にとても美しく映え、その光景は壮観です。その丘のふもとには、赤い風車が目印のフレンチカンカンで有名なキャバレー「ムーラン・ルージュ」があり、このあたりはいつ訪れても観光客であふれています。


さて、そんな観光スポットのすぐ近くに、地元パリジャンたちの強い味方、リーズナブルな家庭的レストランがあると小耳に挟みました。ランチタイムには、顔なじみのご近所の会社員たちがぞろぞろとやってくるというのですから、どうも気になります。

今日は早速、パリジャンたちに混ざってランチをいただくことにしましょう!


観光ならばまず歩くことはないであろう道を、住所だけを頼りに進んでいくと、小さな花々に彩られたテーブルが店先に並んでいるのが目に入ります。ここには静かな空気が流れていて、モンマルトルの喧騒がまるで嘘のよう!お天気の日には、早めの時間に訪れてテラス席を確保するのがおすすめです。特に観光名所が見えるわけでもない、ふつうの道路にあるテラスなのですが、「パリの日常」を眺めながらのランチはなかなかオツなもの。


席に着くと、大きな黒板に書かれた本日のメニューを持ってきてくれます。ランチは、前菜、メイン、デザートの3品で13.8ユーロとコストパフォーマンス良し。3品ともそれぞれ4~5種類用意されているので、好みに合わせてチョイスできるのがうれしいですね。


前菜として注文したのは、まず、「卵マヨネーズ」。これは、フランスの昔ながらのブラッスリーやカフェなどでよく見かける定番メニューのひとつです。半分に切った卵にマヨネーズをのせて、ハイ出来上がり、という、まさにメニュー名そのままの一品。カロリーのことは気にせず、おいしくいただきましょう!


前菜のもう一品は、「ハムのパセリ添え」。厚めのハムに、ピクルスとオニオンスライス、パセリを添えて。思ったよりもあっさりめのドレッシングのおかげで、ハムもさっぱりいただけます。


お次はメイン、こちらは、「メカジキのステーキ」です。白身はオリーブオイルとレモンの風味がほどよくきいていて、ちょうどよい味つけ。ぷりぷりと弾力があり、魚とは思えない歯ざわりです。ほうれん草とじゃがいものピュレも添えられていて、食べごたえ満点。


もう一品のメインは、「牛リブロースのグリル」。牛肉にフライドポテトの組み合わせは、フランス人が大好きなメニューです。この日は、おいしいと知られるフランス内陸部のリムーザン地方の牛肉を使っていました。それだけに、シンプルなあら塩のみで素材の味を引き立てて。私のリクエストに応じて、サラダも少し添えてくれました。(ありがとう!)



メインまで食べたら、もうお腹はいっぱい。でも、やっぱりデザートは別腹です。まずは、「ココナッツのパンナコッタ」(左)。ココナッツの風味がたっぷり、でも甘さは控えめで食べやすく仕上げてあります。もうひとつのデザートは、「パンペルデュ(フレンチトースト)」(右)。添えてあるはちみつと、バニラアイスクリームを絡めて召し上がれ!



ここは、いわゆるパリジャンたちの定食屋さん的な存在。パリジャンたちが、職場の仲間たちと気軽にランチにやってくるような小さなお店です。「限られた時間で食事をする人が多いので、ニーズに合わせて、料理はスピーディーに出すようにしている」とは、オーナー談。お料理もデザートも、繊細なフレンチは出てきませんが、パリの普段の雰囲気を感じたいときや、リーズナブルにがっつりと食べたい、というときに活用したいアドレスです。


顔なじみのお客さんはもちろんのこと、はじめてのお客さんのことも、すてきな笑顔で迎えてくれるのはこちらの3人。右より、オーナーのエルベ・マルタンさん、サービス係のナターシャさん、ジェラールさん。
観光客であふれる丘の上のレストランに飽き飽きしたら、丘を下った静かな場所で、地元フランス人に混ざってのランチはいかが?


★Au Gourmet(オ・グルメ)
19, rue de Bruxelles
75009 Paris
Tél : 01 48 74 53 42
営業時間 : 11 :30~15 :30(木は15 :00)、 18 :30~ 23 :30
定休日 : 土曜の昼、日曜
最寄メトロ : 2号線、Blanche
Web : http://www.au-gourmet.com/


文 : 内田ちはる
写真: 新村真理