Le Plein Soleil(ル・プラン・ソレイユ)

~テラス席が年中ずっと人気のカフェでお洒落ランチ~


(オベルカンフ通りに並ぶカフェやレストランの様子)


本日ご紹介するのは、パリっこたちに大人気のオーベルカンフ地区のカフェ。バスティーユ界隈が若者の街だとしたら、こちらはもう少し落ち着いた年齢層の集まる街といっても良いでしょう。オベルカンフ通りを中心に、その近辺の通りには気になるカフェやレストランが軒を連ね(しかも「当たり」多し)、さらにはナイトライフも楽しめるとあって、特に週末ともなると、一日中パリっこたちでにぎわいます。今でこそお洒落な地区として知られていますが、その昔は小さな工房が立ち並び、職人たちが集まる下町でした。ところが、これらの工房が閉鎖されたあと、次々とそこにカフェやレストランがオープンし、大衆的地域といわれてきたこの地区にいつしかセンスのよいボボたちが集まり始め、今のオーベルカンフ地区を形成したのです(※ボボBobo とは 、 Bourgeois-Bohème の略。ブルジョワ「富裕層」とボエム「自由気ままに生活する人」から作られた言葉。成功したクリエーターやジャーナリストなどの比較的若い層のことで、『経済的にゆとりのある心情左派』とされています)。
もともと工房だったところを改装しているカフェも多く、一歩足を踏み入れると、今どきなのにどこかしら古びた雰囲気が妙になつかしく感じます。昔ながらの下町情緒を残しつつ、そこに新しいものを上手に取り入れているところがこの地区の人気の秘密といえそうです。


さて、そのオベルカンフ地区へのアクセスの中心となる、メトロのパルマンティエ駅を出てすぐのところに、本日訪れるカフェ「Le Plein Soleil」(ル・プラン・ソレイユ)があります。駅を出てふり返ると、そこがもうお目あてのカフェ!ひょろりと細くて背が高い建物に入っているこのカフェは、ここ数年の間にオーナーの交代もあり、数回の改装を重ねてきました。そして最近では、お洒落カフェの激戦区であるオベルカンフ地区の中でもみるみるうちに注目すべき存在となってきているのです。


大きなスペースが取られたテラス席は、カフェの名前のとおり「たっぷりの太陽」を浴びることができるとあって、気候のいい季節には朝から晩まで大にぎわい。寒い冬になると強力な暖房がお目見えし、「冬でもテラス族」の味方になってくれます。テラスにソファ席があるのがうれしいところ。競争率高めの席なので、お早めにどうぞ!


店内はご覧のとおり。ぴかぴかに磨き上げられた重厚なカウンターや、こげ茶と深い赤を基調にノスタルジックな雰囲気で落ち着いています。

さて、このカフェに到着するやいなや、驚いた点があります。フランスのカフェというと、たいてい皆マイペースで、歓迎されているのかされていないのか分からないような出迎え方をされることも多々ですが(日本のサービスに慣れきっていた当初は戸惑いました)、ここでは私たちの姿をすぐに見つけては店員さんがさっと素早く寄ってきて、「お食事ですか、お茶ですか?テラス席ご希望ですか、それとも店内席ですか?」と笑顔で日本並みのサービス!


注文を聞くのも、タイミングよくやってきてくれます。フランスでありがちな、あまりのマイペースさに、「忘れられているのかな、放ったらかしにされているのかな」とキョロキョロ見回して店員を探す必要も全くなし。さらに、その後の料理の提供もスピーディー。出来上がった料理は、てきぱきと気持ちよく動き回る店員の手によって、笑顔で運ばれてきます。全員徹底してしっかり働き者のカフェ、そんな気持ちのよい新鮮さも、このカフェがパリっこたちの気持ちをつかんでいる理由のひとつかもしれません。

さて、そろそろお料理をいただくとしましょう。


フランスのカフェやビストロの人気定番メニューといえばこちらは外せません、牛肉のタルタル(12.5ユーロ)。新鮮な生の牛肉に、新鮮な生卵。卵をつぶしてお肉に絡め、パセリ、玉ねぎ、ピクルスなどのスパイスをお好きなだけ混ぜ合わせて召し上がれ!生臭さは全くなく、美味です。付け合わせは王道のフライドポテトだけでなく、たっぷりのグリーンサラダ付きでバランスもよし。


好みに合わせてお肉の味つけができるよう、お料理と一緒に3種類のソースも出てきます。ケチャップとタバスコと、もう一つは、ウスターソースのような醤油のような、不思議なソースです。全て試してみましたが、個人的にはやはり、ピクルスなどのスパイスをたっぷり入れ、シンプルに塩で軽く味つけするのがおすすめ。お肉そのもののうまみが楽しめます。


そしてもう一品は、チキンチョップのバスマティ米添え(13.5ユーロ)。バスマティ米とは、インドからパキスタンにかけて栽培されている長粒種の最高級米で、その芳香さが知られています。フランスではお料理の付け合わせとして好んで使われます。ちなみに、ごはんにのった赤いものはプチトマト。なんだか少しだけ、日の丸弁当の梅干みたい !?トマトベースのソースでじっくり煮込まれ、ほろほろと身が取れるやわらかいチキンは、とても優しい味わい。ごはんがどんどん進みます。


食後には、人気のカフェ・グルマン(8ユーロ)がおすすめ。エスプレッソにかわいい小さなデザート数種類がついてきて、食いしん坊さんも大満足です。



年中無休なだけでなく、平日でも夜中2時まで、週末には明け方5時までオープンしているとあって、夜遊び大好きっこたちの訪問率も高し。週末の夜限定でDJも登場します。オベルカンフ地区でナイトライフを楽しみ、「最終メトロに乗り遅れた!」なんていう人たちが、最終的にここに流れてきて始発メトロを待ちながらおしゃべりに華を咲かせるのも常のこと、とにかく人が絶えません。夜中にオープンしていたLe Plein Soleilにたまたま入っただけなのに、あれよあれよという間にその居心地のよさやスタッフの対応の気持ちよさに魅了され、すっかりリピーターになっている人たちもいるのだとか。


オーナーは、リシャール・ドゥ・ブレ氏(左)。常連のお客さんと「ボンジュール!サヴァ(元気)?」とあいさつするシーンをキャッチ。お客さんを大切にする若きオーナーは、共に働くスタッフの指導にも余念がありません。また、自分自身も忙しく動き回りつつも、食事中のお客さんのテーブルの横でふと足を止めて「おいしいですか?」と笑顔で声をかける姿が印象的でした。


これといって有名な観光名所がないため、あまり観光客は見かけないオベルカンフ地区。地元っこ気分でリーズナブルなランチを楽しむにはぴったりのアドレスです。ぜひ訪れてみて!


★Le Plein Soleil(ル・プラン・ソレイユ)
90 Avenue Parmentier
75011 Paris
Tél : 01 45 08 41 06
営業時間 : 7 :30~深夜 2 :00(土曜は明け方5 :00まで)
定休日 : なし
最寄メトロ : 3号線 Parmentier


文: 内田ちはる
写真: 新村真理